睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まった状態(無呼吸)が断続的に繰り返される病気です。無呼吸があると身体が眠っているのに脳が眠っていない状態となり、日中の眠気、居眠り運転、集中力の低下を引き起こし、事故やミスにつながることがあります。原因は、肥満による上部気道への過剰な脂肪沈着によることが多いですが、日本人の場合は4割以上が肥満のない方に起こり、骨格の関係で下あごが小さい方に多く起こるとされています。

無呼吸による低酸素の影響から、高血圧や心筋梗塞、脳卒中などの心血管系疾患を引き起こすことがあります。また、うつ病といった心の病になる原因になったり、生活習慣病やうつ病との合併症になる場合も少なくありません。

最近の研究では、夜間の寝不足によるホルモンの感受性の低下が、体調を崩す原因になると分かっています。また、1時間当たり30回の無呼吸を繰り返す重症者の場合は、7~8年後の死亡率が20~30%上がるという研究報告もあります。

どのようにして
症状に気づくことが
できたのか?

無呼吸がないかどうか
チェックしましょう!

(参考1)
眠気尺度による
セルフチェック

1 座って読書しているとき 0 1 2 3
2 テレビを観ているとき 0 1 2 3
3 座って手紙や書類などを書いているときき 0 1 2 3
4 劇場や会議中などの公の場で座って何もしないとき 0 1 2 3
5 1時間続けて車に乗せてもらっているとき 0 1 2 3
6 午後、横になって休息するとき 0 1 2 3
7 座って誰かと話をしているとき 0 1 2 3
8 昼食後、静かに座っているとき 0 1 2 3

合計が 13点以上 で睡眠時無呼吸症候群の可能性
(Epworth Sleepiness Scale日本語版)

(参考2)
日常生活での
睡眠時無呼吸症候群のチェック

家族や友人からいびきが大きいと指摘されたことがある。

寝汗をかく。

最近かなり体重が増えた、または肥満気味である。

あごが小さい、下あごが引っ込んでいる。

舌、扁桃腺、口蓋垂(のどちんこ)が大きい。

鼻がつまりやすい、鼻に病気がある。

気がつくと口で呼吸している。

高血圧、糖尿病、脂質異常症等の生活習慣病がある。

毎晩のようにアルコール飲料を飲む。

喫煙者である。

妊娠中または更年期以降の女性である。

夜寝ているのに、日中に眠気がある。

会議中や勤務中などに、意識せずに眠り込んでしまうことがある。

朝起きたときから頭が重い、爽快感がない。

眠くて仕事や家事に集中できない。

意欲や判断力が低下しているように思う。

3個以上当てはまる場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性大。

治療について

当クリニックでは、夜間の「終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定検査」と「簡易睡眠ポリグラフ検査」をおこなっています。これらはご自宅での検査が可能で、手軽に検査することができるメリットがあります。使用方法については丁寧に指導させていただきますので、ご安心ください。

脳波の異常があるかどうかを確認するためには、入院による検査が必要になります。その場合は、「終夜睡眠ポリグラフ検査」という精密検査をおこなっていただけるよう、専門医療機関(阪和住吉総合病院)と連携を結んでいます。終夜睡眠ポリグラフ検査では、脳波や呼吸リズム、酸素濃度などをチェックすることができます。